PHP入門【基礎構文編】

PHP-基礎構文

PHPの初心者向けに基礎構文を解説します。サンプルコードを載せていますので、コードを書きながら読み進めると良いと思います。

※PHPを動作させるためには、レンタルサーバーやローカル開発環境が必要になります。ローカル開発環境として、よくXAMPPが用いられます。XAMPPの導入についてはXAMPPのインストール&初期設定で解説しています。

メッセージを表示させる

まずは、拡張子が「php」のファイルを作成します。
作成したPHPファイルに、PHPの開始タグである「<?php」を書きます。閉じタグは「?>」と書きますが、PHPのコードしか書かない場合は省略してOKです。

<?php
  //ここにPHPコードを書く
?> <!--PHPコードしか書かない場合は、この閉じタグを省略可能-->

メッセージを表示させるためには、「echo」の後に表示させたい文字列などを書きます。文字列はシングルクォーテーション「’」かダブルクォーテーション「”」で囲うようにします。数値の場合はそのままでOKです。

echo 'Hello World';
echo 5;

コメント

コメントの書き方は3種類あり、行末までをコメントにする場合は「//」もしくは「#」、複数行をコメントにする場合は「/**/」を使用します。
コメントは一時的にコードを無効にしたり、コードの意味をメモしておく際によく使います。

// コメント
# コメント
/*
複数行
のコメント
*/

変数

変数は名前を自由に付けることができて、付けた名前に対して値を格納しておくことができます。変数を定義するには、「$任意の名前 = 値」とします。これは、右辺の値を代入演算子「=」によって、左辺の変数に代入するという意味です。

変数を定義しておくことで、その中に代入されている値を他の場所で呼び出すことができます。また、複数の場所で呼び出しをしていて、値が変更になった場合に変数を定義している1箇所のみを修正すればよいので、保守性がよくなるメリットがあります。

$name = 'sato';
echo $name;

変数の命名

変数は基本的に任意で指定できますが、以下のことに気を付ける必要があります。

  • 大文字と小文字は区別される
  • 2文字目以降は、頭文字を大文字orアンダースコア「_」で単語を繋げる
  • 1文字目は英字orアンダースコア「_」
  • PHPであらかじめ用意されている変数は使えない

例えば、以下のような変数名であればOKです。

$name
$lastName
$last_name
$name2

変数の更新

変数の値は後から変更することができます。更新の方法は、変数を定義した時と同じです。

$num = 2;
$num = 7;
echo $num; //結果:7

文字列の扱い

文字列は「’」か「”」で囲いますが、文字列の中でこの記号を使用する時は注意が必要です。例えば、文字列の中で「’」を使用する場合は、使用しない方の「”」で文字列を囲うようにしなければなりません。

echo "I'm sato"; //正しい書き方です
echo 'I'm sato'; //文字列中と全体の囲い記号の両方「'」を使用しているのでエラーになります。

変数の埋め込み

文字列を「”」で囲んだ場合は、変数を直接埋め込むことができます。

$name = 'sato';
echo "Hello $name";

「’」で囲んだ場合は、「.」で単語を繋ぐ必要があります。

$name = 'sato';
echo 'Hello' . $name;

数値の計算

PHPは、「+」や「-」算術演算子を用いることで数値を計算することができます。基本的な演算は以下の通りです。

a + b   加算
a - b   減算
a * b   乗算
a / b   除算
a % b   剰余(割り算の余り)
a ** b  累乗

計算の例を以下に示しますが、乗算や括弧内の計算が優先されるなどのルールは通常の計算と同じです。

echo 3 + 2 * 5; //結果:13
echo (3 + 2) * 5; //結果:25

加算演算子「+」は文字列の連結でも使用されますが、数値と文字列を連結させることもできます。例えば、数値を「’」か「”」で囲んだ場合は文字列として認識されるため、以下のように出力されます。

echo 3 + '5'; //結果:35

変数を使用した計算

変数に数字を足したい場合、「変数に数字を足したもの」を「定義した変数」に代入します。

$x = 1;
$x = $x + 3;
echo $x; //結果:4

省略した書き方

変数に対して演算をする場合は以下のように省略して書くことができます。

$x = $x + 5; 省略→ $x += 5;
$x = $x - 5; 省略→ $x -= 5;
$x = $x * 5; 省略→ $x *= 5;
$x = $x / 5; 省略→ $x /= 5;
$x = $x % 5; 省略→ $x %= 5;

1を加算/減算

1を加算する場合は「++」、1を減算する場合「–」と書くだけで演算することができます。

$x ++;
$x --;

「++」はインクリメント演算子、「–」はデクリメント演算子といいますが、変数の前に書くか、後に書くかで異なる挙動をするので注意しましょう。

$x = 5;
$y = 5;
echo ++$x; //echoの前に+1されるので、6を出力
echo $y++; //echoの後に+1されるので、5を出力

定数

変数は途中で値を更新することができましたが、定数は途中で更新することができません。この特徴から、途中で値を変更されたくない場合に使用すると有効です。定数を定義する方法は2種類あります。

まずは「define」を使用する方法で、「define(‘定数名’, ‘値’)」と書きます。定数名は一般的に大文字にします。

define('NAME', 'sato');
echo NAME; //結果:sato

次は、「const」を使用する方法で、「const 定数名 = ‘値’」と書きます。

const NAME = 'sato';
echo NAME; //結果:sato

データ型

データ型は、値の形式のことです。例えば、「’Hello’」などは文字列型、「3」など整数型というような型の種類があります。主なデータ型は以下の通りです。

データ型説明
文字列型(string)「’Hello’」など「’」か「”」で囲んだ文字
整数型(int)「3」など少数点を
浮動小数点型(float)「3.14」など少数点を含んだ数値
ヌル型(nul)値が何もない状態
真偽値型(bool)「true」もしくは「false」
オブジェクト型(object)オブジェクト

型を調べる

変数の型を調べるには、「var_dump(変数名)」と書きます。すると、変数の型が出力されます。文字列の場合は「()」内に文字数が表示されます。

$name = 'sato';
$num = 5;

var_dump($name); //結果:string(4)
var_dump($num); //結果:int(5)